ポルトガル代表のルイス・カルロス・アウメイダ・ダ・クーニャ(ナーニの本名)は、パワフルでスピードのあるウインガーだ。2007年にスポルティングからオールド・トラッフォードに移籍してきて以降、“第2のクリスチアーノ・ロナウド”と言われてきた。
しかし、いまではもうそんな肩書きなど不要な、世界を代表するプレーヤーへと成長。その証に、2010-11シーズンにはチームメートが選ぶクラブの年間最優秀選手に選ばれた。
ナーニは実際にそのシーズン、ゴールだけでなく、リーグ最多の18アシストを記録し、クラブの19回目のリーグ制覇に大きく貢献。イングランド・プロサッカー選手協会(PFA)の年間最
優秀若手選手にもノミネートされた。
当時アレックス・ファーガソン監督はナーニは成長過程にあるとコメント。それまではパフォーマンスが安定せず、ファンをがっかりさせていたものだが、それは若さゆえの粗さだった。
ナーニはその後も、オールド・トラッフォードでの5シーズン目でも継続して成長。クロスの精度、キレのある動き、そしてピッチ上の空間把握能力も向上し、相手DFも対応が難しいレベルにまで到達した。
そのきっかけとなったのは2011年夏にアストン・ヴィラから移籍してきたアシュリー・ヤングの存在だろう。ナーニは自分が常にファーストチョイスになるべき選手であることを自らのプレ