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特集

ウェスト・ブロムウィッチ戦の後、ユーモアを交えて語ったアレックス・ファーガソン監督。「エドウィンは一流のGKとして20年以上プレーしてきた。恐らくあんなミスは小学校以来じゃないか。水に流してきれいさっぱり忘れよう」
19/10/2010  Text by 安田勇斗 (ワールドサッカーキング編集部)
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ブログ:攻守に奮闘する不動の守護神

「でかいだけ? 結構じゃないか。体力や技術は身に付けさせることが出来る。しかしお前をでかくすることは出来ない」。ある国民的バスケットボール漫画で、監督が選手を勇気付けるために放った名ゼリフだ。サッカーにおいてもこの選手のような長身プレーヤーを目にするとつくづくそのとおりだと思う。

エドウィン・ファン・デル・サールも身長197センチという“才能”に恵まれた選手だ。しかし2005年夏、フルアムからユナイテッドへと移籍した彼は一部のジャーナリストから手痛い批判を受けた。当時34歳のGKは「ピークを過ぎた選手」、「身長はあるが能力は低下した(つまりはでかいだけ)」と評され、ある全国紙では「マンチェスター・Uで長く正GKを務めることはできない」と断言された。

でかいだけ? 結構じゃないか。その長身は相手FWを威嚇するに十分な“武器”となる。ファン・デル・サールのユナイテッドでの功績を思い出してほしい。入団から5年間、彼は不動の守護神としてほとんどミスをせず神懸かり的なビッグセーブを連発。数多くのタイトル獲得に貢献し、40歳を目前にしていまだトップレベルのプレーを披露している。ハイライトは07-08シーズンのチャンピオンズリーグ決勝、チェルシー戦。PK戦で7人目のキッカー、ニコラ・アネルカのシュートを止めてユナイテッドにビッグイヤーをもたらした時だ。更にプレミアリーグでは09年3月に1311分の連続無失点記録を樹立。彼に批判を浴びせたジャーナリストは前言を撤回せざるを得ないだろう。

もちろん、ファン・デル・サールは「でかい」だけの選手ではない。10代でプロデビューを飾り、それから20年近く第一線で活躍する彼は持って生まれた「でかさ」におごることなく熱心にトレーニングを続け、世界で五指に入るGKへと成長を遂げた。長所を挙げればきりがない。安定したセービングや抜群のポジショニング、的確なコーチングや左右両足から放つ正確なフィード、そしてフィールドプレーヤーに劣らないボールスキル……。その中でも個人的に好きなのはリスタートの速さ。攻撃的なチームのスタイルを象徴するように、ファン・デル・サールはボールがゴールラインを割ると急いでボールをセットしプレーを再開させる。プレーがきれそうな場面でも極力ボールを拾って素早く味方にパスをつなぎ、マイボールになった時も滅多に時間稼ぎはしない。見る者を飽きさせないユナイテッド特有のスピーディーな試合展開は、彼のこうした姿勢から生まれている。

もちろん、加齢による衰えを否定するつもりはない。この5年で反応速度は明らかに低下した。しかし、ファン・デル・サールはベテランらしい優れたポジショニングと読みの鋭さでそのマイナスをしっかりとカバーし、至近距離からのシュートも「でかい」体を大きく広げて高い確率で防いでいる。

ウェスト・ブロムウィッチ戦でのミス? それがどうした。これまでの貢献度を100点と考えるなら、あのミスは「-0.01点」ぐらいのもの。ファン・デル・サールは“本業”の守備で多くのピンチからチームを救ってきただけでなく、攻撃の起点として多くのゴールシーンを演出してきた。その彼をあのミスだけで責めることはできない。

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