ベン・フォスターが2007-08シーズンに残したインパクトは一瞬だけのものだったが、明るい将来を予感させたのは間違いなかった。
プレミアリーグの手強いストライカーたちの足元に積極的に飛びついていく度胸を持ったGKなら、少々のけがを負うことは覚悟の上だろう。
しかし十字じん帯の損傷はフィールドプレーヤーに多い故障だけに、そこを痛め、長期の離脱を強いられたフォスターは、不運だったと言えるかもしれない。
さらにタイミングもよくなかった。けがを負ったとき、フォスターはエドウィン・ファン・デル・サールの控えとして期待されていただけでなく、イングランド代表の正GKを務める逸材だとも言われていたのである。
フォスターが8カ月の離脱から復帰したのは2008年3月のダービー戦だった。
その試合がユナイテッドでのデビュー戦となったものの、ファスターはとくに緊張した様子も見せず、見事な反射神経によって、決定的なシュートを2本もセーブし、チームの1-0の勝