2点のビハインドから逆転勝利を収めたこの試合は、ユナイテッドのみならず、英国のチームが欧州カップ戦のアウェーゲームで見せた最も劇的な一戦と言えるだろう。
オールド・トラッフォードで行われたチャンピオンズリーグ準決勝第1戦は、ライアン・ギグスが終了直前にゴールを決め、1-1の同点に終わっていた。
スタディオ・デッレ・アルピでの第2戦は、4大会連続の決勝進出を狙うホームのユヴェントスが、立ち上がりの4分間に2点をマークする。
いずれもフィリッポ・インザーギがゴールネットを揺らし、まずは6分に素早いCKからゴール前に送られたクロスに合わせて先制点を奪取。続く10分には、ペナルティエリア内から放ったシュートがヤープ・スタムに当たってゴールとなり、2点目を決めた。
これでユナイテッドが決勝に進むには2点が必要となり、トリノまで駆けつけたファンも、ピッチ上で肩を落とす選手たちと同様、静まり返ってしまった。
しかしユナイテッドは、得点を奪われたシーンを除くと、攻め込まれる場面はほとんどなく、中盤ではロイ・キーンが精力的に動き回り、ジネディーヌ・ジダンとエドガー・ダーヴィッツにほとんど仕事をさせなかった。
すると24分、そのキーンが見事なヘディングで1点を返す。勢いに乗ったユナイテッドは34分、アンディ・コールのクロスからドワイト・ヨークがダイビングヘッドを決めて、ホームのサポーターを黙らせた。対照的にユナイテッドのファンは、喜びを爆発。
後半はユヴェントスが盛り返し、インザーギがハットトリックをマークしたかに思われたが、オフサイドの旗が上がった。